横浜セントラルパーク歯科

子供の歯について親が知っておくべきこと

親御さまであれば誰しも「自分の子供の歯並びを良くしてあげたい!」と思っているはずです。それでも歯が生えてくる箇所は概ね決まっているため、簡単には改善できないとお考えだと思います。とは言え、親が気を付けているだけで歯並びの悪化を予防できるケースもあります。親が知っておくべき子供の歯並びについて、当コラムでご確認ください。

良い歯並びと悪い歯並びの違い

まず、良い歯並びとは具体的にどのような状態を指しているのか見ていきましょう。


 良い歯並びのポイント 

上下の前歯の理想的な距離感

上の前歯が下の前歯に対して2~3mm程度出ている状態が理想とされ、下の前歯を上の前歯が3分の1程度覆っている状態がベストと考えられています。

正中線(上下の前歯の中心を想定した線)の位置

上の歯と下の歯の正中線が真っすぐになっている状態を理想とします。ズレている場合には顎関節に悪い影響が出ることがあります。

前歯と奥歯の噛み合わせバランス

前歯は上下の歯できっちりと並列に噛み合い、犬歯から後ろにある歯については互い違いに噛み合わさるのが適切な噛み合わせです。 

では次に良い歯並びとは逆の「不正歯列」の例をご紹介します。 


  悪い歯並びとして多いもの 

● 出っ歯

日本人に多く見られる不正歯列です。横から見たときに特に前歯の出っ張りが目立つため、コンプレックスになりやすいものです。

● 受け口

下の歯が上の歯よりも前に出てしまっているもので、歯の側の問題だけでなく、顎の側に問題があることもあります。

● 叢生(そうせい)

乱杭歯(らんぐいば)とも言われるもので、前歯などが凸凹とした状態で生えているものです。虫歯ができやすいという問題があります。

● 過蓋咬合(かがいこうごう)

噛み合わせが深すぎることによって、前歯が深く入り過ぎ、下の歯が隠れている状態の歯列です。歯茎を傷つけてしまう可能性が懸念されます。

● 開咬(かいこう)

奥歯をかみ合わせている状態でも前歯に隙間が空いてしまう歯並びです。過蓋咬合と逆のものです。

● 空隙(くうげき)

いわゆる「すきっ歯」といわれる歯列で、歯と歯の間に必要以上の隙間が確認されるものです。特にサ行やタ行において発音が不明瞭になる傾向があります。

このような不正歯列については多くの場合矯正で治すことができます。顎骨が定まってしまう前に歯医者さんに相談すると改善もスムーズです。


悪い歯並びがもたらすもの

歯並びの問題は「見た目の影響」だけでなく、噛んで食するという「機能面への影響」や、虫歯になりやすいなどの「メンテナンス上の影響」も考えられます。そのほかにもいくつかございますので整理しておきましょう。


  歯並びの悪さがもたらす可能性のある問題点 

● 虫歯や歯周病になりやすくなる

● 顎の動きが悪くなり、顎や顎関節が痛む可能性がある

● 発音が不明瞭になる可能性がある

● 姿勢が悪くなったり、肩こりや腰痛をもたらしやすくなる

● 口元が気になり素直に笑えなかったり、対人関係で積極的になれない性格になる可能性がある

子供なのに口元が気になって素直に笑えないというのは何とも可哀想なものです。これが対人関係でマイナスの影響をもたらしていくこともありますので、ぜひ親御さまにはお子さまの歯列矯正をご検討いただきたいと思います。


子供が持っている癖にも注意

歯並びの悪さは遺伝的にある程度決定づけられてしまいますが、お子さまの持っている癖によって不正歯列が育ってしまうこともあります


  歯並びに悪い影響をもたらす可能性のある癖 

● 口呼吸

口呼吸は唾液を減らし、虫歯リスクを増加させます。これが抜歯に繋がってしまった場合、歯並びにも影響を与えてしまいます。

● 指しゃぶり

指しゃぶりが過度になると、噛み合わせがズレたり前歯に隙間ができやすくなったりします。生後2~3ヶ月では当たり前の指しゃぶりでも、4~5歳を過ぎて続いている場合には精神的なストレスなどが考えられます。歯並びへの悪影響も懸念されますので、うまく卒業できるようにしましょう。

● 噛み癖

指の爪やタオル、おしゃぶりなどを噛む癖がついている場合も、指しゃぶりと同様に歯並びに悪影響を及ぼす可能性があります。また噛み癖の場合には、顎の発達に悪影響が出ることもあります。

● 舌を出す癖

何もしていないときに無意識に舌が出ている場合や、食べ物を飲み込むときに舌を突き出してしまうケースがあります。このような癖がある場合、舌が口腔内で前の方に置かれていることが多く、前歯を押している時間が長いことで歯並びに悪影響をもたらすことがあります。

● 頬杖をつく癖

頬杖が癖になっていると顎の成長に悪影響をもたらしたり、噛み合わせが必要以上に深くなってしまうことがあります。年齢的には5~6歳頃にできやすい癖ですので、親御さまの方で注意して見るようにしてください。

このように、ただの癖だと思って微笑ましく見ていると、知らず知らずのうちに歯並びの方に悪影響を及ぼす可能性があります。ご紹介したような癖を発見した場合はできるだけ早めにその癖から卒業できるようにうまく誘導してあげましょう。


まとめ

お子さまの歯並びを美しくするためには、家族みんなで協力することが大切です。たとえママが子育ての中心を担っていても、お食事の準備をしているときにまで子供の動きを見守っていられませんよね。

そのような時間に何気なくしているお子さまの癖にパパや周囲の大人が気づいてあげたり、お子さまの顎の成長のことも意識して「よく噛まなければ食べられないメニュー」を加えてあげていると、子供の歯並びは変わってくる可能性があります。

子供はハンバーグなどの柔らかいものが好きですが、好きなものばかり与えることが子供のためになるとは限りません。歯でかむ際に「単純な上下運動」だけでなく、奥歯ですりつぶすような「横の動き」が顎の成長には欠かせないと言われています。ぜひこのような情報もインプットしていただき、お子さまのお口環境を理想的な方向に導いてあげてください

もちろん、不正歯列が目立つ場合には歯列矯正という方法がございますので、お気軽にご相談いただけますと幸いです。