2020.2.16 予防歯科
歯を悪くしない予防方法はこれだ!セルフとプロの対処法
歯を健康的に維持するためには、ご家庭での「セルフケア」と歯科医院での「プロフェッショナルケア」の両方が必要です。「毎食後、丁寧に歯を磨いているから自分には関係ない!」と思われていても、歯垢検査薬と呼ばれる特殊な赤い液体を用いれば、多くの場合磨き残しが確認されます。また、歯垢だけではなく歯周ポケットなどの見えにくい箇所の歯石除去も非常に重要になってきます。当コラムでセルフケアのポイントとプロフェッショナルケアの内容についてご確認ください。
1.セルフケアで意識しておきたいこと
ご家庭のセルフケアで重要なことは、食後の食べカスや細菌が集まった歯垢(プラーク)を残さずに除去することです。100%完璧な歯垢の除去は不可能ですが、意識して磨くのと単なる習慣で磨いているのとでは歯垢の残存率も変わってきます。 歯磨きのポイントとしては次のようなものがあります。
ご自分のブラッシング習慣と照らし合わせて、できていないと思われる場合は今すぐお取り入れください。
セルフケア(歯磨きのポイント)
● 硬すぎる歯ブラシは歯茎を傷めるケースがあるので避けるようにする
● 歯ブラシは、2ヶ月~3ヶ月くらいの頻度で定期的に取り換える
● 歯ブラシは歯の面に対して45度の角度で当てる
(歯と歯茎の間を掃除するような気持で!)
● 鉛筆を持つように軽く歯ブラシを握って左右に細かくブラッシングする
● 歯並びの悪い箇所は、歯ブラシを縦にして磨くと磨き残しを防ぎやすくなる
● 鏡を見ながら1本1本を磨くような意識でブラッシングする
デンタルフロス、歯間ブラシなどを有効活用!
患者さまによって、歯並びや歯の形などは異なってきます。歯並びがキレイで歯と歯の間に隙間がない場合は不要ですが、自分なりにモノが詰まりやすい箇所があるケースでは、市販の「デンタルフロス」や「歯間ブラシ」などを活用しましょう。 デンタルフロスとは、絹糸や合成繊維などがY字型のホルダーに両サイドから固定されているようなものです。
糸状に巻かれているロールタイプのものもありますが、使いやすさで言えばホルダータイプのものが良いでしょう。こちらは主に「歯と歯の隙間が狭い箇所」に適しており、歯の上から繊維部分を押し入れ、前後左右に動かして食べカスを掻き出します。 一方の歯間ブラシは、針金状の突起部分に細かな毛のようなものが付けられたもので、持つ箇所の形状として大きくL字タイプとI字タイプとに分かれます。
こちらは、「歯と歯の間に隙間が広く認められるケース」や、「ブラックトライアングルのような大きな空間ができているお口環境」に有効です。歯間ブラシ自体にもSSSの超極細タイプ、SSの極細タイプ、Sの細めタイプ、Mの普通タイプなどがあります。超極細タイプ(SSS)であれば、歯並びに少しでも不安箇所がある場合に概ねご利用いただけるはずです。
2.プロフェッショナルケア
プロフェッショナルケアとは、歯科医院にて歯科医師や歯科衛生士の手によって行なわれる「歯や口腔環境のメンテナンス」のことを指します。ご家庭でのセルフケアによる不足分を歯の専門家が補う処置だとお考えください。
PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)
PMTCとは、簡単に言うと「歯のクリーニング」のことを指します。セルフケアで見落としてしまっている「歯垢(プラーク)」やそれらが定着しつつある「バイオフィルム」、また既に強く固着してしまった「歯石」などを、専用の機械や器具にて取り除きます。ご自分の手によるブラッシングだけでは取り除けない汚れを除去できますので、歯茎に炎症が起こりにくくなり、健康な状態をキープしやすくなります。 特に歯の付け根部分にはどなたにも「歯周ポケット」と呼ばれる溝があり、この箇所のお掃除をプロに任せることは非常に重要です。
歯周ポケットはメンテナンスを起こると容易に深くなってしまい、歯垢が溜まって歯石が固着しやすくなってしまいます。これが歯槽骨を溶かすリスクのある「歯周病」という病に繋がりますので、お口の中にはセルフケアだけでは対処できない箇所があることを強く意識していただきたいと思います。
エアーフローによる着色(ステイン)の除去
私たちの歯は、食べ物や飲み物(お茶、ワイン)、タバコのヤニなどによって黄ばみなどの着色(ステイン)が生じます。これらはご家庭でのブラッシングだけでは取り除けませんが、歯科医院では水と空気とパウダーを吹き付けてこのステインを除去する方法がございます。 エアーフローによるステインの除去は、「ホワイトニング」のような明確な白さを求める処置とは異なります。それでも、一定程度「健康的な白さ」を回復することが可能ですので、特に喫煙習慣のある患者さまは積極的にご活用ください。
「定期検診」が歯の健康維持の第一歩!
当コラムでは、お口環境に関するご家庭でのセルフケアのポイントと、歯科医院でのプロフェッショナルケアの中身についてご紹介いたしました。本日お読みいただいた内容については、すぐに実践していただかないと、時間経過の中で忘れ去られる可能性が高いものだと思います。将来のお口環境に関わる重要な内容ですので、強く意識づけていただくためにも、ぜひ当院の「定期検診」をご利用ください。スタッフ一同、皆さまのご来院をお待ちしております。