2020.4.2 成人矯正
矯正治療を大人になってから始める5つのメリット
子供の頃は自分の歯並びなど気にも留めなかった場合でも、大人になってからキレイな歯並びに整えたいと思うケースがあると思います。大人の矯正治療は子供の矯正と比べ「やりやすさ」の点で大きく異なりますが、それに挑むだけのメリットもございます。大人の矯正治療の5つのメリットについてご紹介します。
1.噛み合わせの最適化
歯並びが整うということは噛み合わせが良くなることを意味します。幼い頃からその噛み合わせで咀嚼してきた本人にしてみればその状態でモノを噛むのが当たり前だったわけですが、歯並びが整った後にはお食事の際に「しっかり噛めている!」という充実感を初めて実感するケースも少なくありません。
歯並びの悪さに起因してあまり噛まずに飲み込むような癖ができている場合にも、噛み合っている満足感が出てくることでしっかりと咀嚼する習慣が確立されやすくなるでしょう。結果として、胃や腸など消化器系への負担が軽減し、栄養吸収の効率アップが見込めます。
また、歯並びのズレが歯ぎしりをもたらしているケースもあるため、歯列矯正によって歯ぎしりの癖が直っていくことも考えられます。
2.見た目の改善とコンプレックスからの解消
前歯が凸凹とした歯並びになっている場合、人前で自然に笑えないケースが少なくないと思います。女性だと特にこのあたりのことが気になるかもしれませんね。歯列矯正を希望する多くの人がこの「見た目の補正」を考えており、矯正治療では大部分の不正歯列に対してキレイな見た目に整えることが可能です。
歯列矯正によって長年のコンプレックスが解消されると、人前で歯並びを気にせず自然に笑えるようになります。性格が前向きになったり、何事にも積極的に挑め、物事の捉え方においても自然にプラス思考が備わっていくことが考えられます。日常的なストレスが軽減するため、対外的な性格を含めて人としての魅力が増していくケースが少なくありません。
3.虫歯や歯周病リスクの低減
歯並びがキレイに整うということは、歯のお手入れがしやすくなることを意味します。物理的に無駄なひっかかりがなくなるため、これまで届きにくかった箇所もしっかりとブラッシングできるようになるでしょう。また、自分で見た目に自信が持てるようになってくるので、よりその部分をキレイに整えておきたいという意識も高まります。
この関係で歯と向き合う時間が増していく場合がほとんどです。「窓割れ理論」とは少し異なりますが、汚れている場所は更に汚れやすくなるという傾向がございますので、その真逆の作用として歯並びが整うことで口腔環境を最適化させやすくなるのです。 具体的なところでは、「虫歯リスク」や「歯周病リスク」が減っていくでしょう。
虫歯や歯周病は歯の隙間に食べカスが残り、そこに虫歯菌が繁殖して定着してしまうものです。物理的に食べカスが詰まりにくくなったり、残った食べカスを取り除きやすくなるため、お口の中に虫歯菌が留まりにくくなります。また、細菌の数が減少することでこれまで気になっていた口臭が改善していくケースも考えられます。
4.体全体のバランスの改善
歯並びや噛み合わせの悪さは、身体に様々な歪みをもたらすことが知られています。これは適切に分散していくべき噛み合わせ加重が分散せず、噛みやすさや噛み癖によって部分的に偏った加重が常態化することでもたらされるものです。よく言われるように、不可解な頭痛や肩こり、めまいなどは時として歯並びの悪さによってもたらされているケースがあるのです。
このため、歯列矯正によって噛み合わせが整ってくると徐々に噛み癖なども治っていき、上述したような体の不快症状が軽減していく可能性がございます。見えにくいところの不調が改善していったり、腰痛が緩和したといった例もございます。
5.全身の健康状態への好循環
一般的に「歯列矯正を終えると笑顔が増える」と言われますが、笑いには表情筋を活性化し、お顔の皴やほうれい線を作りにくくする作用もあります。また笑顔が増えてくると副交感神経が優位になる時間が長くなっていき、血糖値や血圧の上昇などを抑えることにも繋がっていきます。
更に「しっかりと噛む」という行為は脳への適切な刺激となり、神経活動を活性化することにも貢献します。アルツハイマーを発症している患者を調査すると、その多くが歯の残存本数の少ない患者だったという報告があることからも、しっかりと噛めることと脳機能の働きは密接な関係があると言われています。
このように、歯並びはただ見た目を美しく見せるということを超えて、全身の健康状態に大きく貢献してくれるのです。
まとめ
当コラムでは、成人患者さまが歯列矯正をした場合に得られるであろうメリットを5つご紹介しました。一見、矯正治療は「歯並び」という見た目の美しさを整える「美容的なアプローチ」と捉えられがちですが、実はキレイに整列された空間では「機能性が高まる」という副次的なメリットが隠されており、これが身体機能に様々な好循環をもたらすのです。
矯正治療がもたらす好循環
1. 見た目が整う
2. 歯磨きがしやすくなる
3. 虫歯や歯周病リスクが減る
4. 噛み合わせが良くなって体全体のバランスが良くなる
5 脳への刺激や血流の改善、自律神経の安定などにも繋がる
大人になってからの矯正治療では、子供の頃に実施する場合に比べて歯の移動に時間がかかったり、歯を動かす過程で痛みを生じるケースなどもございますが、無理をせずに少しずつ動かすという対処法や鎮痛剤を併用してうまく切り抜ける手段がございます。
矯正中の見た目についても、「目立たないブラケット」を使用する方法や「マウスピースタイプの違和感の少ない矯正法」もございます。 ずっと気になっていた歯並びに自信が持てれば、人前で自然に笑えたり前向きな性格へと変化していくことが期待できるでしょう。
「もう遅い」ということはございませんので、気になっている患者さまはぜひこのタイミングで矯正治療のご相談にいらしてください。