2020.4.21 成人矯正
歯並びが悪くなる4つの原因と最適な治療法
歯並びが悪い人は、テレビCMなどを見ている時にふと「私もキレイな歯並びだったら良かったのにな…」と考えることがあるかもしれません。歯並びが悪くなってしまった理由については、通常「遺伝だから仕方ない…」と捉えられがちですが、実はそれ以外の要因が含まれていた可能性もあり、大人になった今でもさらに歯並びを悪くしてしまうケースがあります。歯並びを悪くしてしまう原因と矯正治療の種類についてご紹介しますので、キレイな歯並びに憧れている方はぜひご一読ください。
歯並びが悪くなってしまう4つの理由(原因)
歯並びが悪くなる理由は、先天的なもののほかに後天的な環境や生活習慣なども考えられます。必ずしも遺伝のみではないため、今後の対策も含めて日ごろから気を付けておく必要があります。
1.遺伝傾向
両親の歯並びが良くない場合、その子供も歯並びが悪くなるケースが多いです。歯の大きさや形だけでなく、顎骨の作りなども影響してくるため、たとえば元々歯のサイズに対して顎骨が小さい場合、どうしても歯並びが窮屈になってしまいます。
2.顎の不十分な発育
遺伝的なものとは別のところで、食べるものや顎を動かす習慣、あるいは噛む回数などによって十分に顎骨が発達していかないケースも考えられます。「噛むこと」はただ単に消化を助けるだけでなく、顎骨の発育に影響を与え、ひいては歯並びのあり方にも影響してくるのです。
前述の先天的なものに対してこちらは後天的な素因と捉えることができるでしょう。 あまり噛まずに直ぐに飲み込む癖ができてしまうとなかなか改善しませんので、幼少期からしっかりと習慣付けることが大切です。また、近年では食卓に柔らかいものが並ぶ傾向がありますが、噛む行為を促すために適度に硬いものを用意することも大切になります。
3.虫歯や歯周病の放置
虫歯や歯周病を放置していると、その部分の歯や歯茎がもろくなり、前後左右の歯の連結が緩くなってしまいます。歯並びは全体でその状態が維持されているものなので、欠損や欠けが生じればバランスの安定性を欠くことになります。 特にお子さまの乳歯の虫歯については、「どうせ永久歯が生えてくるから…」といった理由や、「子供が歯医者を嫌がるので…」という事情でついつい見逃してしまうケースがあるかもしれません。ですが、結果的にこの判断が永久歯の歯並びに影響してくることもあるため、やはり早めに治療することが大切です。
4.悪癖
歯並びは、以下のように何気ない癖によって悪化してしまうケースもあります。
歯並びを悪くしてしまう可能性のある癖
歯ぎしり
歯ぎしりで加わる力によって歯がキレイに並びにくくなったり、並んでいる歯並びが乱れてくることもあります。
指しゃぶり
4歳~5歳くらいになっても指しゃぶりを卒業できないと、前歯の間に隙間ができたり噛み合わせが悪くなる可能性があります。
爪を噛む
爪を噛む際には前歯に引っかけて引っ張るケースが多いことから、前歯が必要以上に前に出てきてしまうケースがあります。
頬杖
顎の発育を阻害してしまうことがあるため、特に成長期にあるお子さまの場合には歯並びに大きな影響を与えます。
喰いしばる
喰いしばりも歯ぎしりと同様に顎に必要以上の力が加わります。気が付いたら喰いしばってるような傾向にある場合、歯に負担がかかりすぎ歯並びを悪化させる可能性が高いです。
このほかにも、間接的なところでは「口呼吸」も指摘されます。口呼吸はお口の乾燥を招くため、口腔内に菌を増やし虫歯リスクを高めます。結果、歯を治療したり抜歯したりと…歯並びに影響を与えるものと見ることもできるのです。
悪い歯並びを整える4つの治療法
矯正治療の種類は大きく分けると以下の4つになります。
矯正治療の種類
ブラケット矯正
従来からある一般的な矯正治療で金属のワイヤーや金具を使用するものです。近年では付ける金具やワイヤーの色が白や透明のものもあり、目立ちにくい工夫がされています(歯の裏側に装着する「裏側ブラケット」もあります)。
マウスピース矯正
患者さまの歯並びを元にコンピューターシミュレーションによって作成したマウスピースを装着するものです。徐々に歯並びを動かしていけるように連続したマウスピースを使用します。
数週間ごとに新しいマウスピースに取り換えていくようなイメージになります(取り外せるので便利ですが、しっかりと自己管理していくことが求められます)。
インプラント矯正
顎骨に歯科矯正用のアンカースクリューを埋め込み、これを軸にしてアンカープレートで歯を移動していくような矯正治療法です。別の歯にワイヤーを固定するブラケット矯正と比較して、こちらは顎骨に埋め込んだインプラントが軸になるため短期間で大きく歯を動かすことが可能です。
外科手術
矯正治療の際にも、特に大人の受け口や出っ歯など、歯並びの状態次第では必要に応じて外科手術が選択されることもあります。外科的なオペと聞くと不安が多くなるとは思いますが、痛みについては麻酔が効いているため恐れるようなことはございません。
また、外科手術を含むことで入院費や歯列矯正の治療費が保険適用になるメリットもあります。
部分的に歯並びを整えるという意味では、セラミックで一部の欠損や窪みなどを補綴する方法もございます。実際の歯並びによっておススメできる治療法が異なってきますので、一度ご相談いただけると良いでしょう。
まとめ
当コラムでは、歯並びを悪くしてしまう4つの原因とその治療法について簡単にご紹介しました。歯並びに関しては、病気などと比較すると一見生活に大きな影響のない「プライオリティの低いもの」と判断されがちですが、実は頭痛や肩こりなど身体的な違和感の原因になっていることもあります。
歯列矯正をすることで腰痛が改善されたというケースもあるように、身体の歪みなどにも関係してくるものですので、決して侮るべきものではございません。随時、ご相談を受け付けておりますので、どうぞお気軽にご来院ください。