横浜セントラルパーク歯科

歯ぎしりの脱却は矯正にある?歯ぎしり解消矯正法

歯ぎしりは就寝中にやってしまうことの多い癖で、本人の意識とは無関係のところで発生します。歯の負担になるとわかっていてもなかなか治まらないのが悩みの種なのではないでしょうか。患者さまのお口の中を診させていただきますと、傾向として歯並びや噛み合わせの悪さが目立ちます。一つの解決策として矯正治療がございますので、歯ぎしり癖をお持ちの方はぜひご一読ください。

歯ぎしりのリスクと原因

まず、歯ぎしりでもたらされるリスクについて見てみましょう。


歯ぎしりのリスク

歯ぎしりの際に加わる歯への力は、一般的に50kg~100kg程度あると言われています。ご本人やご家族はあまりご存じないかもしれませんが、歯への負担はかなりのものと言えるでしょう。もちろん、負担は歯そのものだけではなく、そこから連鎖して顎や肩などにも派生していきます。

このようなことから、歯ぎしりには次のようなリスクが指摘されています

 歯ぎしりリスク 

● 歯が割れたり削れたり、詰め物などが破損しやすくなる

● 歯が沁みやすくなる

● 顎が痛くなる

● 頭痛や肩こりが起こりやすい

ちなみに、「歯が沁みやすくなる」というのは歯の表面のエナメル質がはがれていき、その中にある象牙質が徐々にむき出しになってくるために起こるものです。また、ここに記載した以外にも、歯ぎしりによって歯茎が必要以上に刺激を受けて痩せてしまい、歯周病を起こしてしまうケースもあります。

では、そもそも歯ぎしりはどうして起こってしまうものなのでしょうか。


歯ぎしりの原因

歯ぎしりの原因は何か一つに特定されているわけではありません。まだまだ不明瞭な要素が多いですが、いくつかの背景事情として以下のものが指摘されています。

 歯ぎしりの背景事情 

● 精神的なストレス

● 歯並びや噛み合わせの悪さ

● 喰いしばりの習慣や癖

歯ぎしりの癖をお持ちの場合、普段から人に言えない大きな悩みを抱えていたり、大きなストレスにさらされているケースが少なくありません。現代社会ではストレスなしに生きるのは困難ですが、歯ぎしり患者さまの場合にはそのようなストレスとうまく付き合っていく術を持たないケースが多いように感じられます。

また、物理的な原因として「歯並びが良くない患者さま」も多いです。歯と歯の噛み合わせや歯同士の並びに安定性を欠いていることが多いため、就寝中などに歯をこすり合わせて無意識にバランスを取ろうとすると考えられています。

このほか、日常的に強く喰いしばることの多いお仕事をされていたり、幼いころから我慢を強いられることが続き、いつの間にか喰いしばることが癖になってしまっている人にも歯ぎしりが多く発生しやすい傾向があります。 いずれにしましても、歯ぎしりは何か一つの限定的な原因があるというよりも、日常生活の中で様々な要因が複合的に絡み合うことでもたらされやすいものと言えるでしょう


歯ぎしりは矯正治療で解消しよう!

歯ぎしりは上述のように「歯並びの悪さ」が発端となっているケースが少なくありません。歯ぎしりの抑制手段として自分の歯型に合った「マウスピース」を使用することもあるように、歯ぎしりと歯並びとの間にはやはり密接な関係があります。

「歯並びを整えれば必ず歯ぎしりの癖が解消する」とまでは言い切れませんが、少なくても歯ぎしりをしたときに歯が痛む範囲が少なくなりますし、歯ぎしり自体の発生を抑制できる可能性が高いです(歯と歯をこすり合わせる物理的な凹凸が減るためです)。

このようなことから、歯ぎしり癖を治したいという場合は、一つのアプローチとして歯並びを整える矯正治療をご検討いただきたい次第です


矯正治療にも様々な種類があるのでご安心を!

矯正治療では「ブラケット」を装着することが一般的ですが、この場合には見た目やお口の中の違和感などがネックとなります。特に口腔環境に繊細な場合の多い歯ぎしり患者さまの場合には、あまり前向きになれないケースもあるかもしれません。

ところが、近年ではワイヤー自体が目立たないもの(クリア矯正)や、歯の裏側に金具を付けて外からはほとんど見えないように調整する「裏側矯正」などもございます。このようなものを選択いただければ、少なくても見た目の不安感は払しょくできます。

「マウスピース矯正」だと一石二鳥!

歯ぎしりの癖をお持ちの患者さまであれば、金属のワイヤーや金具自体を使用しない「マウスピース矯正」という方法が良いかもしれません。まず患者さまの歯型を取らせていただき、そのデータをコンピューターに取り込むことで理想的な歯並びへの道筋をシミュレートします。これに基づいていくつかの段階に分けた連続的なマウスピースを作成し、そちらを着用しながら少しずつ歯を動かしていくという方法です。

歯ぎしりの原因の中でもお伝えしたように、歯ぎしり癖をお持ちの場合には「喰いしばり傾向」があることも多く、マウスピースであればその際の歯や顎への負荷を緩和することもできます。マウスピース自体が歯ぎしりの治療にも使われるものなので、歯ぎしり習慣を抑える方向にシフトさせながら同時に歯並びを整えていけます。

このようなことから、「マウスピース矯正」は総合的に見て歯ぎしり患者さまのお口周りのトラブルを解決する手段として理想的なものなのではないでしょうか。もちろん、「マウスピース矯正」以外の治療法を選んでいただいても構いませんが、ぜひ検討材料の一つに加えていただきたいと思います。


まとめ

当コラムでは、歯ぎしりがもたらすリスクや原因についてご紹介し、それを解消する一手段として「矯正治療」についてご案内しました。歯ぎしりは歯そのものへの負荷だけでなく、お身体全体にも波及してしまう負担の大きな悪癖です。

歯が悪くなればお食事がしにくくなりますし、歯の本数自体が減っていけば脳への刺激も少なくなっていきます。長い目で見ると認知機能にも影響を及ぼし得るものなので、ぜひお早めに治療することをご検討ください。

当院では、矯正治療とは別に歯ぎしり習慣そのもののご相談も受け付けています。どうぞお気軽にご来院ください。