コラム

2020.3.22 入れ歯

ブリッジと入れ歯、失った歯への対処法　保険診療内治療の比較

ブリッジの基本情報

歯科治療におけるブリッジとは、英語の「橋」に由来しているもので、抜けた歯に対して両サイドの歯から人工の歯を橋渡しして繋ぐような治療法になります。たとえば、Bという歯が欠損してしまっている時、両サイドのAとCの歯を削り、クラウンと言われる連結した被せ物「A-B-C」をAとCの歯を軸にして固定します。

入れ歯のように引っかけるのではなく、強固に固定するため基本的に外れる心配はありません。この関係で部分入れ歯などよりも噛みやすいという特徴があります。見た目の上でもある程度自然な状態を回復しやすいため、保険診療内の治療法としては多く活用されています。

ブリッジ治療のメリットとデメリット

ブリッジ治療で考えられるメリットをまとめると次のようになります。

このように見ると、1本などの部分的な欠損歯にはおススメできる治療法のように映りますが、ブリッジ治療にも次のようなデメリットがあります。

最も大きなデメリットは、両サイドの「健康な歯を削らなければならない…」という点です。本来削る必要のない箇所を人工的に削ることになるため、歯の寿命が短くなります。支えとなる歯はその上にはめ込むための土台としてふさわしい形に形成されますので、一度ブリッジ治療をすると削った歯は天然の歯としては「噛む」という機能上不十分な歯となります。

このため、ブリッジ治療を選択する際は「削ることになる歯の将来性」などを十分に勘案する必要があるでしょう。

入れ歯（部分入れ歯）の基本情報

部分的な欠損歯を補う方法としては、保険診療内のものとして「部分入れ歯」を選択することもできます。部分入れ歯の特徴としては、欠損歯の近くの歯に金具をかけて固定するという方法が取られることです（自由診療のものであれば金具を使用しないものもありますが割高になります）。

このため、欠損歯が前歯なのか奥歯なのかなどによっても異なりますが、部分入れ歯の箇所を覗き込むと「金具が見える…」という弊害が生じます。ただし、ブリッジと比較すると健康な歯を削る必要がないという点はメリットになります。では、ブリッジと同様に入れ歯（部分入れ歯）についても、メリットとデメリットを整理しておきましょう。

部分入れ歯のメリットとデメリット

欠損歯を補う部分入れ歯のメリットとデメリットはそれぞれ次のようなものです。

大きなポイントは、既にご説明したように「部分入れ歯の場合は健康な歯を削る必要がない」という点です。これがブリッジ治療の最大のウィークポイントを補う形になりますが、その代償として金具によって発生する「見た目の悪さ」や「噛みにくさ」を取り込むことになってしまいます。

特に、見た目については気になるケースが多いですので、普段目に付かない奥歯の場合には選択できても、前歯の欠損に対しては不向きかもしれません。どうしても健康な歯をそのままの形で残したいという場合は、少し高くなっても金具を使用しない「ノンクラスプデンチャー」もございますので、このようなものもご検討材料に加えてみてください。

まとめ

当コラムでは、部分的な欠損歯を補う治療法として、保険診療内で対応できる「ブリッジ治療」と「入れ歯（部分入れ歯）」についてご紹介しました。いずれもメリットとデメリットがある治療法ですので、「手放しの満足感」までは得にくい実情がございます。仮に治療を終えて満足なさっていても、後々になって「やっぱりあの時…」という思いを持ってしまうことも考えられます。

自由診療という枠組みであれば、審美性と耐久性ともに優れた「インプラント治療」という選択肢もございます。こちらであればしっかりとメンテナンスをするという条件の中、10年先でも自分の歯のように違和感なく噛むことが期待できます。

当院では欠損歯について様々な治療法をご提供していますので、どうぞお気軽にご相談ください。